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【令和2年新春対談】兵庫県知事・井戸敏三氏×建築家・安藤忠雄氏 - 神戸新聞

建築で原風景を造りたい

知事

Ando Galleryは、淡路夢舞台など安藤作品の歴史的価値を順に眺めることができ、最新の活動ぶりも理解できる素晴らしいギャラリーになっています。どのような経緯で建築家を目指されたのですか。

安藤

中学2年生の時に、自宅の平屋の長屋を2階建てに増築しました。その時に大工さんが昼飯も忘れて一心不乱に働いている姿を見て建築の仕事に興味を持ったのです。ただ、学力も家の経済力もないから大学には行けない。じゃあどうするかということで、京都や奈良の建築を見ながら自分なりに勉強しました。

知事

なるほど。

安藤

あちらこちらにアルバイトにも行きました。実は、1965年に三宮地下街がオープンする2年ほど前から、地下街で働いていました。たくさんの店の内装デザインに関わっていまして。神戸には最初から根付いていたのです。

知事

兵庫県の公的施設で安藤さんに最初に造っていただいたのが、県立こどもの館。発想が面白い建物で、「不思議の国のアリス」のようだと思いました。

安藤

建築は思いがけない所がなければ面白くないですからね。でも、あればあったで不便になる。あそこは姫路の中心部からも結構離れているので、どうせ遠いならばと不便でも面白い方を取りました。

知事

県立美術館は阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして造っていただきました。コンセプトはどのようなものでしたか。

安藤

神戸に生まれ育ってよかったなと実感してもらうために、海と山を同時に見られて、屋外を歩きながら一日中文化と戯れられる、ということを考えました。

知事

県内には他にも芸術文化の拠点施設がいくつもあります。震災からの復興においては、芸術文化が人々の気持ちを後押しし、大きな役割を果たしてくれました。その力をさらにうまく震災復興に活用できればと思っています。

安藤

震災の時に県が掲げていたのが創造的復興です。当初、3日に1回は被災地を歩き、その風景を自分の心の中に徹底的に残すことにより、ずっと復興に関わっていければと考えていました。それが県立美術館の設計にもつながっています。

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December 31, 2019 at 10:05PM
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