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ワシントンの建築家が手掛けた家族のための新しい家 - ELLE

一から家を建てたことのある人なら知っていると思うけれど、現場見学は通常週に1回程度。しかし、ワシントンD.C.に拠点を置く建築家カーメル・グリアは、自宅のすぐ隣で新居の現場監督をするという、ユニークな経験をした。

10カ月間、グリアはインテリアデザイナーの助けを借りずに夢の家を建築。4人の子の母である彼女は人を楽しませ、もてなすことが好きで、家族やゲストが楽しめる快適な空間を追求した。グリアはピンクの壁が魅力的なリビングを作る一方、主寝室はくつろぎの空間にしたいと願った。建築家としての多忙なスケジュールのなか、彼女が夢の家を実現した方法とは?

ELLE DECOR(以下ED):この家を建てるうえでの目標は何でしたか

カーメル・グリア(以下CG):私の目標は快適で住みやすい家を作ること。単に平凡なものではなく、魅力的でスタイリッシュな家にしたかった。私にはふたりの子どもとふたりの義理の子どもがいますが、子どもたちに注意するため叫ぶようなことはしたくなかった。使った素材はどれもとても丈夫です。キッチンのバンケット(長椅子)は、簡単にクリーニングできる生地を使い、フローリングは幅広で分厚いアンティーク調の板にしたので、小さな傷が付いてもすぐには分からないはず。“子どものための家”は目標ではないけれど、家を設計するうえで念頭には置いていました。子どもの友人であれ私の友人であれ、私たちの家にはいつもたくさんの人が遊びに来てくれますから。

ED:クライアントとの仕事に比べ、自邸の建築はどうでしたか?

CG:少しプレッシャーはありましたが、私は仕事で常にたくさんの蛇口やタイルなどの素材を見ているので、自分が求めているものは分かっていた。だから今回いろいろな決断を下すのはとても簡単でした。だからこそ、今回のこのプロジェクトは比較的短期間 (約10カ月) で完成することができたのです。

ED:頻繁に現場見学できることは大きなポイントでしたね。

CG:はい。私は建築家で、ものを作るのが大好きです。建築中、すぐ隣に住んでいたので、これは特別な楽しみでした。仕事に出る前、私は現場に寄って状況をチェックしたり、工事の責任者にも会った。全工程を見ることができ、とてもよかったです。仕事では私が毎日現場に行くことは難しいし、普段は週に一度のミーティングのみですが、今回は、1日に何度も現場に行くことができた。それがとても楽しかったですね。

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風通しのよいマスターベッドルームには、「Room & Board」のベッドが。

Stacy Zarin Goldberg

ED:あなたが採ったデザイン上のリスクについても教えてください

CG:私が自宅に置いているものの多く、例えば、キッチンの照明器具や夫のオフィスの壁紙など、実際はクライアントがあまり好まないものも多いのです。すべてのクライアントがそのような大胆さやユニークさを求めているわけではないので、自分の家はもう少し創造的で自由な発想から作ることができました。

ED:あなたはコントラストを重視していますね。例えばリビングでは、ピンクとグリーンの組み合わせが素敵です。

CG:フェミニンな壁の色に男性的な家具を合わせるなど、温かい雰囲気が好きですね。リビングのダークグリーンの椅子は非常に男性的、革張りのソファにはライブラリーのような感じがあり、そこにコーラルの壁の色は予想外の取り合わせです。家に子どもがたくさん来るときは大人が集まれる居心地のいい場所になります。また、この部屋にシャンデリアを入れてしまうと、壁がコーラルなので一気にガーリーになってしまう。照明でコントラストを出すのは難しいものですが、この少し角張っているバランスがとても気に入っています。

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リビングの壁には、「ベンジャミン・ムーア」のピーチブロッサムを使用。

Stacy Zarin Goldberg

ED:キッチンの白壁とそれに映える黒い家具はコントラストのもうひとつの例ですね

CG:はい、家の大部分が白なので、ダークカラーを入れるのが好きなのです。キッチンの上部にはキャビネットを付けなかったので、圧迫感を与えずに部屋の表情を変えられる。カウンターの両側には、光を反射して視覚的にも面白い黒いタイルを使用。カウンターはブラックの大理石と、珍しいチョイスにしています。私は合成されたものは好まず、本物の石が好きなので、この黒い大理石のもつ美しい縞模様が気に入っています。

ED:あなたが選んだ照明とシェルフついてもう少し教えてください。

CG:このペンダント照明をキッチンカウンターの上に設置するのはとても面白いなと思いました。キッチンの収納に関して言うと、すべての食器が比較的統一されていれば整理整頓も容易なので、私はオープンシェルフが好きですね。ゲストが来たときも、食器のある場所を説明しなくていいのはラクです。シェルフは大きくてシンプルな作りにし、すべてが見えるようにしています。

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オープンシェルフとバンケット(長椅子)が、キッチンのスタイリッシュでリラックスした雰囲気を高める。

Stacy Zarin Goldberg

ED:もうひとつの見どころはクロス張りのオフィスだと思うのですが、このスペースについては?

CG:夫のオフィスです。私はゆったり過ごせる書斎を作りたかったのですが、部屋を緑には塗りたくなかった。ほとんどの空間は明るく白で統一されていて、そのようなエアリーな広い空間の隣に、重めの部屋があるのは面白いなと。私はまるでそこがジャングルかのような雰囲気にしたく、夫はそんな派手な壁紙をすぐに受け入れてくれました。彼がそこで仕事をする際、落ち着いて静かに過ごせると気に入ってくれています。

ED:そして、明るくて風通しのよい空間と言えば、ベッドルームとバスルームもですね。

CG:ドラマに出てくるようなベッドルームの大きなシャンデリアが好きでした。私たちのベッドルームはとてもシンプルですが、質感のある梁と個性的なシャンデリアのコントラストが気に入っています。シンプルで落ち着いた場所を作るのが好きですね。バスルームの床は木製なので少しユニークかと思います。床がタイルでないので、まるでバスルームではない違う部屋のようなんです。私の娘のグレースはそこで遊ぶのが好きで、とてもシームレスな感じがします。

ED:ついに自宅が完成した今、何が特別だと思いますか

CG:私たちはずっとここで暮らしていくことを望んでいます。私はタイムレスで、私たちともにいい感じで経年変化していく家を作ろうと試みたのです。


original text : Monique Valeris  photo : Stacy Zarin Goldberg  architecture and design : Carmel Greer


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December 23, 2019 at 11:21AM
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