国土交通省が、殺人事件が過去に起きたことがあるアパートなど敬遠されやすい「事故物件」について、基準を明確にするためのガイドライン(指針)作成に乗り出すことが31日、分かった。2月から有識者検討会を開催し、年内の取りまとめを目指す。これまで明確な基準がなかったため「(室内で)病死者が過去に出ていたことを告知しなかったため、借り手から苦情を受けた」など、トラブルも発生しているという。
事故物件は、「床に傷がついている」など不具合が見つけやすい物理的瑕疵物件と違い、「自殺者が出た」や「殺人現場だった」など嫌悪感を抱きやすい心理的瑕疵物件を指す。一見するとわからない場合がほとんどだ。
不動産会社は物理的瑕疵(かし)物件と同様、事故物件を取引する際も宅地建物取引業法に基づいて告知しなければならない。だが、嫌悪感を抱くレベルには、買い手や借り手により個人差があるため、「自殺者が出た場合には必ず告知しないといけないのか」など基準を求める声が高まっていた。
日本賃貸住宅管理協会の調査では、自殺者が出た物件については、事業者の約75%が告知していたが、病死や事故死者が出た場合に告知する事業者は約60%にとどまるなど、対応は事業者任せだった。
国交省は2月5日から有識者検討会を開き、判例などを参照に指針作成に着手する。「死後○カ月以上たって住人が発見された場合は事故物件」など、できるだけ具体的な基準を示す方針だ。
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January 31, 2020 at 07:20PM
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