港町の風情が残る兵庫県姫路市的形町的形に、築110年の庄屋を改装した茶房「井上茶寮」がある。明治期の建築を生かした非日常の雰囲気と、元パティシエの井上祖人さん(27)が提供する個性的な菓子や茶が人気だ。オープンから丸3年。祖人さんと妻有紀さん(36)のもとには建築家やアーティストが集まり、新たな試みを始めている。
三木市出身の祖人さんは専門学校で料理を学んだ後、札幌市や大阪市にあるミシュランの星付きレストランで働いた。的形を訪れたのは、古民家再生を手掛ける父親の仕事を手伝ったのがきっかけ。のどかな街並みの中にたたずむ明治建築の屋敷に引かれ、自分の店を開くことを決めた。
建物を改装し、2017年3月に井上茶寮をオープン。フランスの焼き菓子と和菓子を組み合わせた「カヌレ羊羹」を作り、独自の目利きで全国から取り寄せた茶と共に提供した。ようかんや多彩な茶葉、和菓子用の黒文字(つまようじ)などオリジナル商品をネットや全国の百貨店で販売し、徐々に知名度を高めてきた。
西宮市出身の有紀さんは大学職員を経てフランス・パリの美術館に勤務。3年前に一時帰国した際、友人の弟で幼なじみだった祖人さんの店に立ち寄り、その後結ばれた。
「アーティストがゆっくり過ごしながら、街並みや自然からインスピレーションを受けられる場所」。そう感じた有紀さんが提案したのは、芸術家が現地に滞在しながら創作活動をする「アーティスト・イン・レジデンス」だ。欧米では知られた手法を取り入れ、広大な屋敷の一部に創作・ギャラリースペースを設けることにした。
設計を依頼したのは、オープン当初からの常連だった明石市出身の建築士黒木大亮さん(38)。井上さん夫婦と意気投合し、昨春から屋敷内の蔵を改修して仕事場を構えていた。「茶室の意匠が素晴らしく、しっかりとした柱もある」と元のたたずまいを生かした空間に仕上げた。
そして最初のアーティストには、有紀さんがパリで出会った写真家アレクサンドラ・モカニュさん(35)を迎えた。ブルガリやシャネルなど有名ブランドの商材写真を手掛けてきたモカニュさんは「風景の中に、過去に対しての尊厳が残っている」と日本の街並みを評価する。残念ながら展覧会は新型コロナウイルスの影響で延期となったが、状況を見ながら一般公開の時期を検討するという。
井上さん夫婦は茶房や建築事務所、ギャラリーが入ったこの屋敷を、1997番地にちなみ「的形1997地区」と名付けた。「文化・食・住の三つの分野を連携させ、的形の魅力を発信していきたい」。2人の試みは始まったばかりだ。(井沢泰斗)
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April 10, 2020 at 03:30AM
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庄屋屋敷の人気茶房 建築家や芸術家と新たな挑戦 姫路 - 神戸新聞
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