新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々の生活様式に大きな変化が現れている。在宅勤務の増加、商業施設の休業、大型イベントの中止などで1つの建物に大勢の人が集う機会が減っていくなか、これからの建築はどうあるべきなのか。建築家の隈研吾氏が展望を語った。
新国立競技場は「箱の外」を意識してつくった
2020年5月14日、寺田倉庫(東京・品川)が運営する美術館「建築倉庫ミュージアム」にて、建築家の隈研吾氏を招いたイベント「隈研吾・西澤明洋が語るアフターコロナの建築とデザイン」が開催された。同館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休館中。現在はオンラインコンテンツの拡充に力を入れている。本イベントもその一環として、無観客およびYouTubeでのライブ配信という形で行われた。
ナビゲーターを務めた西澤明洋氏は建築学を学んだのち、ブランディングデザイナーとしてクラフトビール「COEDO」などの商品や福岡市にある警固(けご)神社などの施設も手がけている。さらに「アーキテクチュアル・シンキング(建築的思考術)」を提唱しており、かつて日経クロストレンドでも隈氏とも対談している(関連記事:「隈 研吾氏 批判され責任も負うから他分野でも活躍できる人に」)。イベントの冒頭、西澤氏は「建築家は表現する前の仕組みをつくるのも得意なのではないか。隈氏に、建築的思考でアフターコロナの世界を解き明かしていけるのか聞いてみたい」と話した。
隈氏が関わった建築といえば、19年11月30日に完成した国立競技場を思い浮かべる人も多いだろう(関連記事「国立競技場の隈研吾氏 目指したのは『地味な幸せと和の本質』」)。本来であれば20年7月に開催される東京オリンピックのメイン会場として使われる予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で21年に延期となってしまった。だが、「新国立競技場をつくった時点で、何か予感のようなものがあったかもしれない」と同氏は話す。
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May 27, 2020 at 03:01AM
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