県信濃美術館 ７割方完成 設計の建築家、現場で解説 - 信濃毎日新聞

　来年４月のリニューアルオープンに向けて長野市箱清水の城山公園で建設が進む県信濃美術館本館で１９日、設計した建築家宮崎浩さん＝東京＝が館内などを報道陣に案内した。同館は７割方が完成。「（延べ床面積が）１万平方メートルを超える大きな施設だが、周囲の風景と関わり合い、建築が突出しないようにした」とし、周囲の景色との連続性などについて解説した。

　新美術館は鉄筋コンクリート（一部鉄骨）造の地上３階、地下１階。高低差のある敷地を生かし、半分近くが地下に埋まったような構造で、高さは隣接する２階建ての東山魁夷館と同じ。「風景を取り込める敷地の良さを守りたい」と、魁夷館に面した北側や、善光寺に面した西側に広く窓を取り、公園や里山を望めるようにした。

　展示室は旧館のおよそ２倍の約２千平方メートル。収蔵品展用が１室と企画展用が２室、共用が１室の４室からなる。文化庁長官の承認を得て国宝や重要文化財を借りて展示できる「公開承認施設」を目指し、遮光や防虫などの対策を施した。利用は展示室のみ有料で、カフェレストランや無料の展示スペースなどは入館料なしで楽しめる「敷居の低さ」も強調した。

　１２月までに内装工事を終え、外構工事を経て来年３月の完成を目指すとしている。

（8月20日）

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