広島市内に数多く残る「被爆建物」が今、保存問題に揺れている。その姿を通して被爆の実相を伝えてきたが、戦後75年がたち、老朽化や市街地開発に伴って取り壊しを余儀なくされたものもある。被爆者の高齢化で重要性は増しているだけに、市も保存・継承への協力を呼び掛けるが、改修しても往時の面影が薄れてしまうことも少なくない。「物言わぬ証人」をどう後世に引き継ぐべきか-。議論のさなかにある二つの被爆建物を追った。
市内最大級の被爆建物は、爆心地から南東に約2・7キロ離れた同市南区の住宅街に、悠然とたたずむ。
築107年の赤れんが倉庫4棟がL字型に連なる「旧陸軍被服支廠(ししょう)」。戦時中、軍服や軍靴などを製造・保管していた軍都の象徴は、原爆投下による倒壊や焼失を免れ、被爆者の臨時救護所として使われた。
〈にんげんをかえせ〉
「原爆詩集」の「序」で知られる詩人・峠三吉は、同じ詩集の中で「倉庫の記録」と題し、被服支廠内の惨状をこうつづっている。
〈高い格子窓だけのうす暗いコンクリートの床。そのうえに軍用毛布を一枚敷いて、逃げて来た者たちが向きむきに横たわっている。みんなかろうじてズロースやモンペの切れはしを腰にまとった裸体〉
その巨大な倉庫群を解体する案が浮上したのは、昨年12月のことだった。
3棟を所有する広島県が、うち2棟を解体し、1棟の外観を保存する方針を示した。「震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高い」との理由からだった。残り1棟は中国財務局が所有しており、国は「県の検討を見守る」とした。
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県が打ち出した「2棟解体、1棟保存」との方針は、被服支廠で起きた悲劇を語り継いできた被爆者たちには寝耳に水だった。
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September 12, 2020 at 08:54AM
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平和つなぐ 広島被爆75年 揺れる被爆建物(上)「物言わぬ証人」守り抜く - カナロコ(神奈川新聞)
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