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札幌以外にも拡大、十勝地方で初のクラスター…旭川では初の死者 - 読売新聞

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 北海道内の1日当たりの新型コロナウイルス感染者数が9日、初めて200人の大台に乗った。感染者の急増で、宿泊療養施設の手続きが遅れるなど影響が出始め、道や市が検討に乗り出した。十勝地方では初めてとなるクラスター(感染集団)も確認された。

 札幌市で確認された感染者は158人で最多を更新した。このうち感染経路不明者は66人。ススキノの接待を伴う飲食店関係者も9人増え、同様の感染者は計431人となった。

 旭川市では、市立旭川病院の発熱外来に臨時採用された20歳代女性職員が感染した。同市では初めてとなる感染者の死者も出た。また、8日には最多の16人の感染確認が発表され、15人は慶友会吉田病院の患者だった。同病院での感染者は計24人になった。

 感染者の急増で、様々な体制に影響が出始めた。

 道内唯一の宿泊療養施設である札幌市南区のホテル(670人分)では手続きが遅れ、147人(8日時点)が一時的に自宅待機している。道は「対応にも限界が出ている」とし、札幌市と宿泊療養施設を増やす方向で調整している。

 また、道は9日、入院患者数が増えている道央圏と道北圏で、感染者の受け入れが可能な確保病床数を拡充することを明らかにした。「地域での感染が拡大したときに受け入れ可能な病床数」を確保するフェーズ2になったとして、道央圏は358床から541床に、道北圏は61床から172床にそれぞれ増やす。

 札幌市も市保健所の対応が追いつかず、感染者の行動や濃厚接触者などを調べる「疫学調査」が十分にできないケースも増えている。調査不足が原因で感染経路不明者に分類されている陽性者もいるという。現在は渡航歴や国籍などの17項目を聞いているが、項目を減らすことも検討するという。

 市保健所には7日に国から応援派遣された保健師が到着。対策の集中期間とされる27日頃までに延べ約30人が派遣される予定。山口亮・感染症担当部長は「今まで通りのやり方では対応できないのは事実だ」と話している。

 道内で9日に確認されたクラスターは3件。十勝地方で初となったのは帯広市の飲食店「エスコートラウンジ グランデ」。従業員8人の感染が判明したが、連絡が取れない客がいるとして店名が公表された。札幌市のレストランと認可外保育園でも発生した。

 感染症予防に詳しい北海道医療大の塚本容子教授は、新型コロナが「寒くなるのに合わせて感染者が急増している可能性が高い」と分析。北海道では冬に室内を密閉させて暖房を利かすことが多いが、「冬でも厚着をし、定期的に換気をしながら室内で過ごしてほしい」と呼びかけている。

 このほか、8日には、北海道医療センター(札幌市西区)が院内でクラスターが発生したと発表した。外来診療は通常通り実施しているが、一部の診療を中止した。帯広畜産大(帯広市)も学生が感染したとして、オンライン授業に切り替えると発表した。

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