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台湾の建築家・謝英俊を、私たちが知るべき必然性 (2020年1月10日) - エキサイトニュース - エキサイトニュース

台湾の建築家・謝英俊を、私たちが知るべき必然性

『ゲリラ建築――謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる』(みすず書房) 著者:廖 惟宇
台湾の建築家・謝英俊(しゃ・えいしゅん)は、1999年に台湾中部で発生した9・21大地震をきっかけに、自然災害の被災地や貧しい農村地域をわたり歩き、住民と協力した住宅再建を手がけている。それは、協働的な家づくりを通して現代の「住まい」のあり方を問い直そうとする試みでもある。
この国際的な注目を集める建築家による中国・四川大地震後の復興プロジェクトを描いたノンフィクション『ゲリラ建築』の日本語版刊行に際し、市川紘司氏による巻末解説の一部をここにお届けします。

◆台湾の建築家・謝英俊を、私たちが知るべき必然性
謝英俊は、台湾では現在も大型公共建築の仕事を続けているが、その活動のメインフィールドと言えるのは、基本的には都市ではなくその外側に広がる農村地帯、平常時ではなく自然災害時などの非常時である。とくに中国では農村建設のプロジェクトに多数参与している。「9・21以後」の台湾建築を代表する建築家ではあるのだが、同時にこうした活動形態をとる建築家は中華圏の建築業界に類例がなく、かなり異端的でもある。世界的に見ても稀有な存在だろう。

近年こそ、農村地帯の建築作品が急増している中国現代建築ではあるが、本書が記述する四川大地震の起こった2000年代には、そのようなムードは皆無だった。北京オリンピックが開催されたのは2008年。上海万博の開催が2010年で、この年に中国の都市化率はほぼ50%となった。「農村が都市を包囲する」戦略によって誕生した中国(中華人民共和国)は「都市国家」へと歴史的な転換期を迎えており、建築家たちの仕事も当然ながら急速に拡大する都市に集中していた。実際、2000年代の中国では、不況に悩む島国日本とは対照的な「大陸的」としか形容できないような巨大建築が続々と建てられている。そのような同時代の「景気の良い」都市からは遠く離れて、被災した少数民族集落や農村を活動の主舞台に定めていたという点だけ取り出してみても、謝英俊の特異性は想像がつくのではないだろうか。筆者は2014年に『中国当代建築』(フリックスタジオ)という2000~10年代の中国建築の概況を紹介する書籍を編著したことがあるのだが、謝英俊は位置づけが難しく、結局取り上げなかった(もちろんそれは彼が本来は「台湾の建築家」であるためでもあったが)。

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January 10, 2020 at 04:00AM
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