2020年1月20日、大手百貨店の高島屋が大阪市浪速区に保有する歴史的建造物「高島屋東別館」がリニューアルオープン。メインテナントとして長期滞在型ホテル「シタディーンなんば大阪」が入居した。この春には京都にも歴史的建造物を利用した宿泊施設が相次いでオープンし、新たなトレンドになりそうだ。
関西空港への特急列車が発着する南海なんば駅から徒歩10分。「なにわの台所」として観光スポット化している「黒門市場」や、秋葉原と並び今やサブカルチャーの発信地となった電気街「でんでんタウン」が至近の場所に、凝った装飾が施されたレトロなビルがある。大手百貨店の高島屋が保有する「高島屋東別館」だ。1928年(昭和3年)建築の歴史的建造物が、このほどフルリノベーションにより、当時の雰囲気を残しつつ最新のサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」に生まれ変わった。
高島屋東別館は、もともとは高島屋ではなく、ライバルである松坂屋の大阪店。建物が面する堺筋は戦前、大阪屈指の繁華街として知られ、松坂屋のほか、三越や白木屋、高島屋が店を構えるメインストリートだった。ところが、1937年に御堂筋が開通したことで、その地位を奪われ、徐々に衰退。66年に松坂屋大阪店は天満橋に移転した(その後2004年に閉店)。
店舗移転後、高島屋が建物を取得。ただし同社は既に南海なんば駅直結の大阪店を運営していたことから、大半を店舗としてではなくオフィスビルとして50年以上利用してきた。地域のランドマークともいえる堂々とした外観を持ちながらも、多くの人が足を向ける施設ではなかった。
風向きが変わったのは5年ほど前のこと。「自社のオフィスビルとして利用するだけでなく、収益を生む物件にできないか検討を始めた」と、高島屋で不動産戦略を担当する賃料管理室長の津積誠氏は話す。インバウンド需要が盛り上がる中で、メインテナントとして白羽の矢が立ったのが、シンガポールに本拠を置くサービスレジデンス大手のアスコット社だ。サービスレジデンスとは、清掃や飲食などサービスが付帯した長期滞在型のアパートやホテルのこと。そのため、多くの部屋にキッチンや洗濯機などを設置している。日本ではビジネスパーソンの長期滞在需要がそれほど大きくないことから、ホテルとしてのライセンスも取得し、短期利用も積極的に受け入れるケースが多い。長期・短期両方の需要を取り込むことで、客室の稼働率が安定するという(参考記事「大阪・高島屋東別館をフルリノベ 長期滞在型レジデンスの吸引力」)。
もともと百貨店として建設された高島屋東別館を宿泊施設にすることは、高島屋、アスコット双方にとってメリットがある。高島屋の村田善郎社長は「大阪を訪れるインバウンド客に宿泊してもらい、歩いてすぐの大阪店で買い物してもらうことを期待している」と話す。シタディーンなんば大阪の宿泊客には、買い物の優待券などを提供するほか、将来的には免税手続きのワンストップサービス、買い上げ品のホテルへの配送サービスなどを検討しているという。
一方、アスコット側にとっては、昭和初期の百貨店建築に宿泊できるという唯一無二の体験が提供できる点が最大の魅力だったという。ロビーには百貨店で販売されているアパレルやジュエリーをイメージしたオブジェを配置。客室のデザインも高島屋の子会社である高島屋スペースクリエイツ(東京・中央)が担当し、建物がもともと百貨店であったことを感じ取れるインテリアにしたという。高島屋は日本のみならず、中国・上海やシンガポール、ベトナムのホーチミンでも店舗を展開。東南アジアでも一定の知名度があり、高島屋の歴史的な建築に泊まれる点を最大の武器にする戦略だ。
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February 07, 2020 at 03:01AM
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