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松本の土蔵造り建物、ギャラリー兼土産店に 元カレー店「デリー」 - 中日新聞

ギャラリーで三代沢さんの作品を紹介する田中さん=松本市中央で

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 松本市中央の中町通りで五十年近く親しまれたカレー店「デリー」の店舗が、松本民芸を率いた三代沢本寿(もとじゅ)さん(一九〇九〜二〇〇二)の作品を展示するギャラリーと土産菓子店に生まれ変わった。築百十年以上の土蔵造りの建物で、市登録文化財の第一号でもある。観光客や若者が集まる中町通りで、松本民芸を発信する新たな拠点として注目を集めている。現在は新型コロナウイルスの影響で店を閉じているが、五月七日から再開する予定だ。

 市などによると、三代沢さんの息子で一昨年に他界した友寿(ともとし)さんが、一九七〇(昭和四十五)年から二〇一七年までデリーを営業していた。交流のあった甲府市の田中彰夫さん(75)が店を譲り受け、一年ほど掛けて改装。二階にギャラリーを設け、一階に田中さんが会長を務める土産菓子製造卸「たなか」(甲府市)の直営店「壱の蔵松本店」を配置した。

 店は明治四十年代に建てられ、呉服店などに使われてきた。特徴的な外壁のなまこ壁など外観はそのままに、昨年度に創設された市登録文化財の制度を活用し、市の補助金も受けて改装した。

 田中さんは松本が好きで、十年以上前から毎月のように中町通りを訪れてきた中で松本民芸に出合い、三代沢さんの作品にほれ込んだ。知人の紹介で知り合った友寿さんと交流を深めるうちに、店舗をギャラリーとして活用する構想が膨らんだという。

 ギャラリーでは、型紙で布を染め付ける「型絵染」を中心に三十五点を展示。北アルプスや蔵の町並みといった松本らしいデザインのほか、アフガニスタンの山と城など世界の風景を温かみのある色彩で表現した作品も並ぶ。三代沢さんの家族が三百点以上所蔵しており、年三回ほど入れ替えるという。

 田中さんは「民芸は大衆の生活から生まれた文化。最近は家具や陶芸なども価格が高く、手が届きにくく、作家も減っている」と危機感を持つ。一方で「古さを感じさせないし、誰もが見て気持ちがほっこりできる魅力がある。三代沢さんの作品を通して広く知ってもらいたい」と思いを込める。

かつての趣を残している「壱の蔵松本店」=松本市中央で

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 一階店舗ではチョコレートやドライフルーツ、甘納豆などの土産品を並べる。小分けの菓子が多く、若者にも人気という。ピーナツをワサビ味のチョコで覆った菓子や、山賊焼き風味のスナック菓子など松本店限定の商品も開発している。

 ギャラリーは午前十時〜午後四時で水曜定休。店舗は同六時まで。

 (竹内なぎ)

 <三代沢本寿> 松本市出身の染色工芸家。26歳で染色の道に入り、民芸運動の父と呼ばれる柳宗悦と型絵染の人間国宝芹沢●(金偏に圭)介に師事した。戦後、日本民芸協会県支部の設立にも尽力。60歳ごろから40カ国以上を訪ね、世界の美しい自然の情景などを題材に創作した。

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April 23, 2020 at 03:11AM
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