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【eco最前線を聞く】被災建物予測サイト、迅速救助に一役 - SankeiBiz

 □あいおいニッセイ同和損害保険理事損害サービス業務部長・佐藤満氏

 あいおいニッセイ同和損害保険は、横浜国立大、エーオンベンフィールドジャパンと共同で、自然災害発生時における被災建物予測棟数を市区町村ごとにリアルタイムで予測し、地図上に表示するウェブサイト「cmap.dev(シーマップ)」を開設した。被災規模の早期把握や迅速な救助・支援活動に貢献する。公開してから約1年経過し、地方自治体や社会インフラ企業、メーカー、商社などがBCP(事業継続計画)策定などに活用している。このプロジェクトの責任者を務めたあいおいニッセイ同和の佐藤満理事損害サービス業務部長に課題や今後の展開などを聞いた。

 ◆18年の台風がきっかけ

 --サイト開設のきっかけは

 「2018年に台風21、24号というまれにみる大きな台風に襲われ、21号では約13万件、24号では約7万件が保険金支払い対象となった。10年に一度といわれる大型台風でも5万件ほどなので想像を絶する数字だった。大規模な災害が立て続けに発生し、社内の災害対応体制構築に苦慮した経験から、災害発生と同時に建物被害の規模がどれくらいになるかを早期に予測する仕組みをつくれないか検討することになった」

 --仕組みを作る狙いは

 「保険契約者からの事故受け付けや保険金支払い業務を円滑に進めるための人員確保などに早くから取り組み、平時と同等の対応ができると考えた。そこで当社は被災地域・程度をどこよりも早く把握する方法を確立するため、過去の支払保険金のデータ分析を実施した」

 --他の2者の役割は

 「横浜国大は高度な計算科学技術により、過去に甚大な被害をもたらした台風だけでなく、実際には起きていない台風のシミュレーションを実現。エーオンは航空写真の解析により全国の建物データベースを構築し、最大瞬間風速と建物被害の相関に着目した台風の被害予測システムを開発した。3者の英知を結集し、台風・豪雨では気象データを観測してから、約1時間後に予測結果を表示し毎時00分に最新情報を更新することができる」

 ◆救助の目安にも

 --シーマップに期待される役割は

 「建物の被害予測結果は避難行動を促すためではなく、災害発生直後の被災地域・規模を確認するのに役立つと考えている。建物被害が多い地域では人命救助が必要になる可能性は高い。シーマップは被災率の高低により被害程度を市区町村ごとに確認できるので、地域の安全を担う自治体や公的機関が救助・支援活動を検討する際、速報値の一つとしてシーマップを利用することも想定している」

 --成果は

 「全国の建物を対象とした被災件数を予測すると同時に、当社内では契約者を対象とする被災件数を予測。被災地域・規模を早期把握し、社内の意思決定や態勢構築に活用している。19年に発生した自然災害ではシーマップの被害予測情報と契約者の住所データをマッチングさせ被害遭遇を予測。社内の態勢構築に活用した」

 --課題は

 「雨台風など豪雨による水害の予測精度を高める必要がある。シーマップはリアルタイムの河川水位情報を取り込めておらず、河川の氾濫が起きた場合はどうしても誤差が生じてしまう。河川のどこで氾濫が起きるかによっても被害状況が変わるため浸水地域を精緻に予測することは難しいが、チャレンジしていく。また今後はシーマップを含めた防災・減災のプラットフォームを構築できればと考えている」(松岡健夫)

                   ◇

【プロフィル】佐藤満

 さとう・みつる 東京理科大工学部卒。1990年千代田火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)入社。営業統括部総括グループ長、沖縄支店長、埼玉損害サービス部長などを経て、2019年理事損害サービス業務部長。53歳。東京都出身。

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May 25, 2020 at 03:00AM
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