アウトドアブームが久しく続き、インテリアやエクステリアに植栽を採り入れるスタイルが人気だ。さらに近年では、照明を合わせた夜間の演出が注目されている。
でも、単純に明るくすればいいというわけではない。
そこで、エクステリアを彩る照明の新常識について、パナソニックに聞いてみた。
エクステリア×植栽×照明という美の方程式
今、外構照明が注目されている。
外構とは塀や門、庭や植栽、アプローチ、駐車場、照明など、建物の外にある構造物を指し、建物の外の空間全体を捉えるエクステリアと近似で呼ばれる。
そんな外構部分だが、照明を工夫することで見栄えが格段に良くなるのだ。
パナソニックは、GREEN CREATORの田主丸緑地建設 小西 範揚氏をエクステリアオフィシャルアドバイザーに招聘するなど、外構デザインに力を入れている。
パナソニックの辻さんによれば、美の方程式に「エクステリア×植栽×照明」があるという。
パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社 ライティング事業部 マーケティングセンター 綜合企画部 住宅政策企画課 主務 辻 篤志さん
例えば、邸宅に小さな森を思わせる植栽を与える。すると、建築中は無機質だった建物が、
瀟洒なファサード(正面部分)を持つ邸宅へと生まれ変わる。
そこに、外構照明を加えれば、「小さな森」と建物が一体化した美しい空間が誕生するそうだ。
また、「エクステリア×植栽×照明」のコンビネーションは、水と組み合わせて非日常的な空間を演出したり、
インテリアとエクステリアの境界をなくし、広がりのある空間演出が可能になるという。
しかも、外構照明は意外とリーズナブルなのだと辻さんは教えてくれる。
一見、どこにでもありそうな建物照明に、
5灯で14万円前後とお得な照明を加えれば、「迎えるファサード」の灯りが完成するそうだ。
単なる夜間照明ではなく「映える空間」を生む外構照明
照明を変えることで印象が大きく変わる外構。外構照明のラインアップを豊富に揃えるパナソニックが新たな製品を加えるというので、そのお話とともに、外構照明の最新情報に触れてみたい。
パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社 ライティング事業部 ライフスタイルライティングBU 空間演出推進部 エクステリア空間事業推進グループ 企画課 課長 茨 薫さん
パナソニックの建築用の照明に、「SmartArchi(スマートアーキ)」というブランドがある。2004年にデビューした同ブランドは、「建築に自由を与える」ことをコンセプトに、製品開発を行ってきたという。
SmartArchiシリーズには4つのこだわりがある。
1.「光」:グレア(不快感のあるまぶしさ。眩惑)を抑え、対象のみを照らす制御された「光」
2.「素材・品質」:美観だけでなく、耐久性まで考えた器具設計
3.「デザイン」:背景を選ばないシンプルで使いやすい「デザイン」。空間と一体感を高める
4.「空間」:制御された光と溶け込む「デザイン」により、上質な空間を実現
それぞれのこだわりを実践することで、建築に自由を与えることができるという。
そのSmartArchiシリーズのラインアップへ2020年9月1日に加わったのが、「Cylinder Spot(シリンダースポット)」と「Broad Washer(ブロードウォッシャー)」だ。
まずはCylinder Spotから話を聞いてみた。
SmartArchi(スマートアーキ)「Cylinder Spot(シリンダースポット)」
Cylinder Spotはコンパクトさとシンプルさを追求してデザインされている。壁面への取り付け部分をコンパクトにし、また上部に水がたまりにくいフラットデザインを採用するなど、美しさと機能性を兼ね備えたという。
また、グレアに配慮した美しい光を用いており、人が近づいてもまぶしさを感じにくいように配慮されている。
そして、植栽をあざやかに魅せる、黄みを抑えた採光色も用意している。
続いて、Broad Washerの話をうかがった。
SmartArchi(スマートアーキ)「Broad Washer(ブロードウォッシャー)」
Broad Washerは、まぶしさを抑えたワイド光を実現するために、パナソニック独自の「マイクロレンズ導光板」技術を新開発したという。
さらに、一般的な器具に比べ発光輝度を抑制し、低位置照明により空間ノイズの削減を果たしたという。
また、街路灯と同等の照明要件をクリアしながら、商品コストの低下を実現している。
上の写真右上は3.5mの高さのパナソニック製の街路灯。5ルクスを超すには49万8000円かかるそうだが、新商品なら33万6000円(4台分)ですむという。
両側配光タイプなら昼間は透明なので、景色が透けて見えることで景観とよくなじむのも魅力のひとつとなっている。
外構照明へのこだわりが、これからの建築のトレンドになりそう
外構照明といっても様々な器具が用意されている。設置目的に合わせた製品を厳選し、設置場所などにこだわれば、グレアを抑えつつも光と影の美しいコントラストを生み、邸宅などの建物がより一層「映える」ことがわかった。
建物と植栽を照明で演出するという新常識について教わってきたが、その美しさ、効果とコスパは非常に高い。建築物をブラッシュアップする最後の仕上げに不可欠な考え方として、今後ますます注目されていくのは間違いなさそうだ。
取材・文/中馬幹弘
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September 12, 2020 at 01:45PM
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